ニビイロの想い

2004年5月23日 読書
「デッドエンドの思い出」よしもと ばなな 文藝春秋

出会いのタイミングや状況の流れが人間の関係を規定していくさまを、5つの短編によってリアルに描いた短編集である。


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どうにもすっきりしない。
胃が頭が心が。

恋だとか愛だとか、そういうもののようでちょっと違う。
と思ってしまうのはきっと、今まで見聞きしてきたドラマとか小説なんかによって作られた既成概念なのかもしれない。

全部で5話あったんだけど、どれもぐったりとするような切なさ。
透明な切なさ。こころにジワジワと広がっていくような切なさ。
切なくて胸がきゅうっとなるような感じだけど、哀しいのでもなくて、なんとなくほわっとなる。


ばななさんがあとがきで
「ぜんぶ、つらくて切ないラブストーリーばかりです」
と言ってるけど、そんな辛いとは想わなかったなぁ。

とりあえず、どの話もべたべたなラブラブな恋愛が登場しない。
そして、やっぱり「縁」とタイミングは大切なんだなぁ。


ばななさんはゲラ段階で泣かずに校正できなかったらしいが。
私は泣くどころか、哀しくなることも少なかったんですが。
(切なくはなったけど)


個人的には最初の「幽霊の家」が好きだなぁ。




ひさびさに、本を読めてちょっとよかった。

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