ミンナニイッパイアリガトウ

                 アイヲイッパイアリガトウ

 


――― 28年前に母がくれたそのぬくもりは、静かに雪の降る、
    今日みたいにとってもとっても寒くて冷たい日でした ―――




月がやけに明るくて
ほんとうにまあるくて
まさに、おあつらえ向きだった。

この、忌まわしく、なのに愛おしい
ニガツナノカというこの日に、ぴったりと。

 

何回目であろうとも
一番スキで一番キライな日。
 

 
 
もう嫌だと思っている。
早く終わらせたいと思っている。
なんで続くのかと思っている。
どうせ、人はいつか消えてなくなるのだから。
好きで始めたわけじゃないのだから。

 

 

ワタシはここにいて良かったの?
いいの?ほんとうに?
い続けてもいいの?
許してもらえるの?
こんな、どうしようもない、存在なのに?


誰も、答えをくれなかった。
自分でも答えを出すことはできなかった。

ただ、誰かにその答えとして
ただただ抱きしめてほしかっただけなのに。
そのぬくもりを感じたかっただけなのに。

 
 

ワタシがここにこうしていることは「+」だから
ここから消えることで「−」となり

よって、全ては±0になる。

今日というなんでもない日に生まれてしまった「+」を
今日というなんでもない日に消えることで「−」にして

全てを±0へと還す。

 

今日というこの日に生み出されたものは
今日というこの日でなければ綺麗に抹消することはできないのだから。
誰にも、気付かれないように。

 
 
 
 

 

幻想の中で生きて
現実の中で夢を見て
無へと還す。

あってはいけない。
なくてもいけない。
誰にも気付かれてはいけない、この存在。

笑いながら泣いて
喜びながら怒って
生きることにしがみつきながら死ぬことへ憬れる。

 
それでもまた今日という
素晴らしく透き通った夜空に浮かんだ日に
死へとむかいながら生まれてきたことを
独りでこっそりと受け止めよう。

この場から、また始まる、一年に向かって。

HAPPY DEATHDAYという歓喜の唄を謳歌しながら。
HAPPY BIRTHDAYというレクイエムをくちずさみながら。


       満月は無へと向かい

       太陽は静かに昇り

       オワリとともにハジマル

       

       アナタのその一言が

       弐拾と八回目のナミダを

       許してくれた、から、ワタシは…

 


 
 
 


 
        コトシハ、イマニモ、雪ガ降りソウデス。

 

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