【問題 −2】

 

氷の上を歩く。
割れて落ちれば、どうなるかなんてわかっている。
でも
氷の上を歩かずにはいられない。


こんなにも穢れを知らず
真っ白で
キラキラと輝いている雪の上を
ワタシが踏むことなんて許されない。
カオスのようにドロドロで混濁していて真っ黒で、醜くて
そんなワタシが
この純白を汚す権限なんてないのだから。





汚す、壊す。
結局ワタシはそれしかできない。
こんなゆきのようにまっしろなものを作ることなんてできない。
アナタをただ、哀しませるしかできない。
もう、これ以上アナタを
黒く
紅く
この手で染めたくはない。


 
 
 
 

アナタには穢れを知らないそのままで
太陽の光に包まれてあの深くあおいそらへと還ってほしい














ただ、そんなワタシが吐く息も
まっしろで
泣きたくなるぐらいにまっしろで
ワタシの方がこの空気よりもあたたかいんだと知った。


哀しかった。





        ツメタイツメタイ
        サムイサムイ





氷の上を歩いていたら
氷は割れずに
溶けていた。
ワタシの姿も消えていた。
そこは、いつもの、湖。




春が来るのも、近い、らしい。

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